オイクリッドの歴史

 1960年代にフランス ルノー社のピエール・ベジェ氏がベジェ曲線・曲面を開発し自由曲線・曲面を数学的に表現することに成功しました。
 1971年になり、エンゲリ教授がこの理論を使用し、複数のベジエ曲面からなる自由曲面の作成、ミーリング加工を開発しました。
 1973年にEUKLID(オイクリッド)という名称で、自由曲面のミーリング加工用ソフトとして発売を開始し、主にタービン形状の同時5軸加工を行いました。この当時、このタービン形状は数学的に高精度を要求しており、従来の加工方法では不可能であったが、加工可能になりました。またこの頃、より高精度なCNCフライス盤が開発・発売され、自由曲面の加工は格段に進歩しました。
 1980年にVAXコンピュータが開発されました。
 1990年代初めまで複雑な自由曲面のモデリング・加工においてオイクリッドは鍛造・鋳造金型、インペラー・タイヤ形状業界にて多く使用されました。
 1987年より、エンゲリ教授は、ETHチューリッヒ工科大学客員教授に就任し、1990年に正教授として就任しました。
 1990年にオイクリッドの所有者であったスイス・クレジット銀行の子会社であるフィデス社は、オイクリッドをドイツのオペル社の大株主であったシュトレッスレ社に売却しました。
 1995年にシュトレッスレ社は、オイクリッドをCCSインフォメーション・システム社に転売しました。
 2000年にメンシュ・ウント・マシーネン社がオイクリッドを買収しました。

チューリッヒ工科大学を定年退職したエンゲリ教授は、メンシュ・ウント・マシーネン社よりオイクリッドが売りに出されていることを知りました。

 2005年にエンゲリ教授は、旧オイクリッドの同僚と共同でオイクリッドを買収し、EUKLID CAD/CAM AG社を設立します。エンゲリ教授の目的は、しばらくの間、複数の開発者のさまざまな考えで開発していたソフト内部を整理することでした。

これ以降、オイクリッドも年々バージョンアップされ、
歯車専用ソフトウェア EUKLID GearCAM(ギアキャム) も開発/リリースしました。

現在、EUKLID CAD/CAM AG社には数学の博士号を持つ社員を中心に開発されています。
オイクリッドの最大の特徴は、自由曲面が数学的に見て非常に正確に表現していることになります。このため優れたCAD/CAM機能を持っています。この特徴をさらに発展させ、かつてのように特にさまざまな加工業界の最先端に立つことを目指しています。